中国のBOEと米クアルコムが戦略提携、下半期に量産出荷へ
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【4月18日 Xinhua News】中国液晶パネル大手の京東方科技集団(BOE)は15日、米半導体大手クアルコム(Qualcomm)と、同社の超音波式指紋センサー「3D Sonic」を搭載する革新的な表示製品を開発することで戦略提携すると発表した。それぞれの技術優位性と業界資源を活用、センサーやアンテナ、画面処理などのコア技術をめぐり緊密に協力し、付加価値の高い革新的な表示製品とソリューションを世界の利用者により多く提供する計画だ。
BOEの表示・センサー事業群の高文宝・最高経営責任者(CEO)は「今年下半期、BOEのフレキシブル有機EL(OLED)ディスプレーとクアルコムの超音波式指紋センサー3D Sonicを一体化したソリューションの量産出荷を図る」との方針を示した。
クアルコムの上席副社長でQCT(クアルコムCDMA技術)担当最高執行責任者(COO)の陳若文氏は「クアルコムは一貫して中国との協力に取り組んできた。BOEとの提携は、中国に根を下ろしエコシステムの革新を図る取り組みの一つだ。3D Sonicを搭載した有機ELディスプレーを双方が合同で発売したことで、OEM(相手先ブランドによる生産)企業は先端製品の設計・開発をより簡単にできるようになる。第5世代移動通信システム(5G)、拡張現実(AR)や仮想現実(VR)などのXR技術、モノのインターネット(IoT)などの分野でBOEとイノベーション協力を強化したい」と期待を語る。
3D Sonicなどの機能を統合するBOEのフレキシブルOLEDは、製品に一体化された超薄型指紋認証ソリューションを提供、高効率のサプライチェーンシステムを構築する。また指紋認証の安全性や信頼性を大きく高めることにもなり、スマートフォンなどモバイル端末分野で応用余地が広い。BOEのフレキシブルOLEDはすでに世界一流のスマホブランドに使われている。両社の打ち出す新ディスプレーは、端末ブランドの製品の差別化を後押しする。提携はスマホや5G関連技術もカバーしており、XRとIoTにも広げられる見通しだ。(c)Xinhua News/AFPBB News