【4月18日 Xinhua News】中国・山西省(Shanxi)大同市(Datong)にある大同海発生物科技の加工工場ではこのところ、ミールワームの選別、乾燥、殺菌、梱包作業が行われている。これらのプロセスを経て、厳格な検査をパスした重さ数百キロの乾燥ミールワームはコンテナに積まれ、天津港まで運ばれた後に輸出される。

 同社のチーフエンジニアで山西農業大学(Shanxi Agricultural University)教授の潘登奎氏によると、ミールワームは中国で「面包虫(パン虫)」と呼ばれている。タンパク質やビタミン、ミネラルなどを豊富に含むことから、ここ数年は韓国や日本、欧米などの消費者の間で食品、食品原料として注目を集めている。

 2019年11月から現在までに、同社の飼料用、食用ミールワームは韓国や米国、オランダなどへたびたび輸出され、累計輸出量は300トンに達した。

 大同税関の廉慧鋒税関長は、ミールワーム製品の円滑な輸出を保障するため、同税関では新製品の輸出要件をタイムリーに把握し、企業に食品の輸出資格を取得するよう指導、検査や検疫の関連手続きを行っていると説明した。特に新型コロナウイルス感染症が流行している期間中には、検査・検疫の全過程に科学技術的支援を導入し、「ゼロ接触」で関連手続きを迅速に処理してきたという。

 大同海発生物科技は、地元の農業分野における貧困脱却支援のリーディングカンパニーでもある。これまでに地元の貧困世帯から300人を受け入れ、各人の特性に応じて技能訓練を施した上で、養殖工場や加工工場、実験室勤務などに配属し、年平均1万5千元(1元=約15円)余りの増収を支援してきた。

 同社の王希占総経理は「今年は100トンの食用ミールワームの輸出を見込んでおり、市場価格は約60万ドル(1ドル=約108円)になる。また日本やシンガポール、ドイツなどの市場も徐々に開拓し、『昆虫食』を通じて貧困脱却支援と対外貿易の双方での成功を実現したい」と述べた。(c)Xinhua News/AFPBB News