【4月17日 AFP】スペインで16日、新型コロナウイルスによる死者が551人増えて1万9130人となった。しかし、政府の集計方法に疑問が生じており、地方自治体からは実際の死者数ははるかに多いと懸念する声が上がっている。

 5週間近くにわたって封鎖措置が取られているスペインでは、死者と感染者の増加率がここ2週間で鈍化している。

 しかし、マドリード(Madrid)州とカタルーニャ(Catalonia)自治州の当局は、州内における実際の死者数が政府発表より数千人多いと指摘している。

 厚生省のフェルナンド・シモン(Fernando Simon)緊急警報調整局長は、「実際の死者数を把握するのは困難だ」と述べた。

 シモン氏によると、政府が毎日発表している死者数は、地方当局から報告された「新型コロナウイルスの検査で陽性と判定された」患者の死者数に基づいているという。

 マドリード州とカタルーニャ自治州の死者数はスペイン全国の56%を占めているが、病院外で死亡した人をすべて含めておらず、統計には欠陥があると一部の当局者は指摘している。

 マドリード州のこれまでの死者数は6877人と発表されているが、ある高官は15日、実際の死者数は1万人を超えている可能性があると述べた。

 これまでの死者数が3855人とされるカタルーニャ自治州では、実際の死者数が7000人を超えている可能性があり、同自治州政府は集計方法を変更すると発表した。

 カタルーニャ自治州政府は15日、これまでは州内の病院での死者数を集計していたが、今後は老人ホームや自宅での死者数を提供するよう葬儀業者に命じ、集計すると発表した。その上で、累計死者数を7097人に訂正した。

 スペイン全土の感染者数は、5183人増えて18万2816人となっており、米国に次いで世界で2番目に多い。(c)AFP