【4月17日 AFP】米ニューヨークで、新型コロナウイルスに感染し、今月上旬に人工呼吸器を装着され人工的な昏睡(こんすい)状態で出産した女性が回復し、初めてわが子と対面した。

 ヤニラ・ソリアノ(Yanira Soriano)さん(36)の担当医はAFPに対し、ソリアノさんは集中治療室(ICU)で11日間にわたり気管挿管された後、「奇跡的」に回復し、4人目の子どもを迎えることができたと話した。「人工呼吸器を装着した患者の大半は助からない」という。

 ソリアノさんは15日、拍手をする数十人の医療従事者らに見送られる中、車いすに乗って退院した。周囲の人々と同じようにマスクを着用したソリアノさんの夫は、ソリアノさんに男児のウォルターちゃんをそっと手渡した。

 ソリアノさんが新型ウイルスに感染したのは、出産予定日まで1か月ほどの時期だった。夫もほぼ同時期に感染したものの、ソリアノさんよりも症状が軽く自宅にとどまることができた。

 ソリアノさんは入院し、酸素吸入を受けたものの容体が急速に悪化。医師らはソリアノさんに対し、緊急帝王切開を行い、その後は人工的な昏睡状態に置かれることを伝えた。ソリアノさんは、赤ちゃんを救うためにできることはすべて行ってほしいと話したという。

 担当医は、「母親は状況を理解していたが、手術直前に容体がひどく悪化して人工呼吸器を装着することになり、意識のない状態で出産した」と説明した。

 予定よりも少し早く生まれた赤ちゃんは元気で、退院後に受けた新型ウイルス検査では陰性だった。

 映像は15日撮影・提供。(c)AFP/Ivan Couronne