【4月16日 AFP】フランスの首都パリで起きたノートルダム大聖堂(Notre Dame Cathedral)火災は15日、発生から1年を迎えた。現地では唯一の関連行事として、大聖堂に残る鐘の一つが鳴らされた。

 中世に建造され、世界で最も崇敬を集める場所の一つであるノートルダム大聖堂は火災により壊滅的な被害を受けたが、再建工事は新型コロナウイルスの影響によりフランス全土で封鎖措置が取られる中で中断されている。

 大聖堂では午後8時(日本時間16日午前3時)、南塔にある「エマニュエル(Emmanuel)」と呼ばれる鐘が鳴らされた。フランスでは毎日この時刻に住民が窓際やベランダに出て、新型コロナウイルスとの闘いの最前線に立つ医療従事者らに拍手を送ることが習慣となっている。

 フランスでの新型コロナウイルスによる死者は同日、1万7000人を超えた。仏保健当局トップのジェローム・サロモン(Jerome Salomon)氏の発表によると、病院と老人ホームで死亡した人の数は前日の1万5729人から1万7167人へと増加。

 一方で明るい兆候として、新型コロナウイルス感染により入院している人の数が初めて減少に転じたことも発表された。入院患者は前日比で513人減少。さらに集中治療室(ICU)の患者数も前日から273人減り、7日連続の減少となった。(c)AFP