【4月16日 AFP】イングランド・プレミアリーグ、リバプール(Liverpool FC)のファン96人が圧死し、英国で発生した最悪のスタジアム事故として知られる「ヒルズボロの悲劇(Hillsborough Disaster)」の発生から15日で31年を迎え、同クラブのユルゲン・クロップ(Juergen Klopp)監督と主将のジョーダン・ヘンダーソン(Jordan Henderson)が、遺族を支援するメッセージを送った。

 最後となる追悼式はこの日、クラブの本拠地アンフィールド(Anfield)で行われる予定だったが、大規模集会に関する新型コロナウイルスのガイドラインによって延期となっていた。

 クロップ監督はビデオメッセージの中で、「きょうは毎年、われわれのサッカークラブにとって最も大切な日」と話した。「アンフィールドで時間を共にする予定だったが、それはできない。われわれに唯一確実にできるのは、互いを思い合うこと」

「信じてほしいのは、皆さんにはわれわれの思いや祈り、そして何より愛があるということ。You'll never walk alone(独りじゃない)」

 昨年11月には当時の警備責任者で、重過失故殺の罪に問われていたデビッド・ダッケンフィールド(David Duckenfield)氏に無罪判決が言い渡されており、これを受けて最後の追悼式が準備されていた。

 新型コロナウイルスの危機が続く間、国民保健サービス(NHS)を支援するための基金を設立した一人であるヘンダーソンは、「サッカーの試合を見に行って二度と帰ることはなかった96人の命に敬意を表すため、クラブの全員がアンフィールドで時間を共にすることになっていたのがきょう」とコメントした。

「リバプールの全選手を代表し、被害に遭ったすべての人に、われわれが皆さんを思っているということを知ってほしい」「実際に同じ時間を過ごせなくても、これまで通りわれわれの心はつながっている」 (c)AFP