【4月16日 AFP】米アップル(Apple)は15日、同社製人気スマートフォンの廉価版「iPhone SE」の新型モデルを発表した。新型コロナウイルスの流行により、突如として厳しい経済状況に置かれた消費者にアピールすることが狙い。新型モデルは派手な発表イベントも行われずに投入される。

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 新型iPhone SEの販売価格は399ドル(約4万3000円)からと、同社の主力製品であるiPhone上位機種の半額以下に設定されている。同社は17日から40余りの市場で予約を受け付ける。

 アップルは新型iPhone SEの発表を文書で明らかにし、この数年、同社の恒例となっていた、派手な発表イベントを行わなかった。

 新型iPhone SEの画面は4.7インチと、スマートフォンの中では小型。初代iPhone SEより大きいものの、他の最新モデルより小さい。しかし高解像度の動画や写真を楽しむことができる。

 アップルは顔認証システムをはじめ、上位機種に取り入れられている一部の機能を省くことでコストを削減する一方、歴代iPhoneに使われていた、ファンにはなじみ深い指紋認証システムやホームボタンをiPhone SEに搭載させた。

 米ITコンサルティング会社「テックナリシス・リサーチ(TECHnalysis Research)」のアナリスト、ボブ・オドネル(Bob O'Donnell)氏は同機種の発表について「非常に偶然のタイミング」だと指摘。「これはまさに多くの人が欲しいと思うスマホだ。この経済状況下で、スマートフォンに1200ドル(約13万円)を費やすのを正当化するのは難しく、それでも人々は依然としてスマホに大きく依存し、大勢の人が新機種への変更を望んでいる」と説明した。(c)AFP/Glenn CHAPMAN