【4月18日 AFP】「さあ皆さん、家の小さなスペースでできる10分のトレーニングを始めましょう」──パーソナルトレーナーのクリステン・ハンドフォード(Kristen Handford)さん(33)は動画の冒頭でこう呼びかける。香港のひしめきあうマンションに囲まれた人けのない公園で、ハンドフォードさんは、家で引きこもる人々に向けたレッスン動画を収録する。

 この光景は現在、世界各地でおなじみだ。数週間、場合によっては数か月続くであろう自主隔離の中、多くの人々が健康を維持するための方法を模索している。

 しかし、世界の中でも狭い部屋に住む香港の人々も、健康維持は可能だと話す。香港の平均的な居住空間はわずか16平方メートルだ。

「100%、健康は維持できます」と、香港在住歴6年のハンドフォードさんは言う。「私を信じて。ここでエクササイズできれば、どこででもできます」。ハンドフォードさんはカナダ国籍で、子どもが1人いる。

 ハンドフォードさんのオンライン・レッスンを定期的に受けているというアリソン・ユン(Alison Yuen)さん(32)は他にも、人気が高まっているビデオ会議アプリ「ズーム(Zoom)」を使い、友達と一緒に簡単な運動を行うという。

「とても簡単なものを選んでいます。ユーチューブ(YouTube)にある10~15分のもので、ストレッチだけの時もあります」「(友達と一緒に行うことで)無理にでも運動することができます」

 ユンさんの部屋は、香港の平均よりは広いものの、運動できるスペースは数平方メートルのみ。大きな飼い犬のウェランと場所の取り合いをしている。

「ウェランは遊ぶのが好きで、一緒に運動したいと思っているのです」とユンさんは冗談めかして言った。

■「社会的距離ではなく物理的距離を置くだけ」

 香港でヨガスタジオ「YogaUP」を経営するチャウケイ・ガイ(Chaukei Ngai)さん(40)は、誰もいないスタジオからオンラインでレッスンを行う。ガイさんはAFPに対し、自己隔離は集団で何かすることの終わりを意味するわけではないと語った。

「今朝のレッスンには、インドや英国、ブラジル、(インドネシアの)バリから生徒が参加しました」とガイさん。「社会的距離ではなく、物理的距離を置くだけのことです」

 映像は3月26、27、30日撮影・一部提供。(c)AFP/Jerome TAYLOR