【4月16日 AFP】2019年に始まった新型コロナウイルスの流行では、現時点で13万人以上の死者が出ているが、21世紀になってこれまでに流行した感染症を見てみると、20世紀のパンデミック(世界的な大流行)よりも命を落とす危険性がはるかに小さくなっている。

 20世紀と21世紀の主な感染症について、最近のものから順にまとめた。

■エボラ出血熱:2013年~2016年、2018年~現在

 2013年12月に西アフリカで発生したエボラ出血熱の流行は2年余り続き、主にギニア、リベリア、シエラレオネなどで1万1300人以上の死者が出た。

 1976年に初めて確認されたエボラウイルスは、他の病原性ウイルスに比べて伝染性は低いが、致死率が著しく高く、感染患者の約50%が死亡する。

 2018年8月にコンゴ民主共和国東部で再発生したエボラ出血熱は、これまでに2200人以上の死者を出している。2020年4月10日に新規患者が報告されたが、これは政府当局が流行の終息宣言を出す予定だった期日のわずか3日前のことだった。

■豚インフルエンザ:2009年~2010年

 世界保健機関(WHO)によると、2009年3月にメキシコと米国で最初に確認された豚インフルエンザ(H1N1型)により、1万8500人が死亡したという。

 だが英医学誌ランセット(The Lancet)は、この死者数を15万1700~57万5400人と推計している。

■鳥インフルエンザ:2003年~2004年

 2003年に出現した強毒性の鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)は、主に東南アジアで400人以上の死者を出した。H5N1型ウイルスは最初に香港の養鶏場に壊滅的な被害をもたらし、その後に人に伝染した。

■重症急性呼吸器症候群(SARS):2002年~2003年

 SARSは2002年11月、中国南部で初めて確認された。その後、2003年半ばに健康危機を引き起こし、特にアジアに被害を及ぼした。

 SARSで命を落とした人の数は774人で、そのうちの80%は中国と香港での死者だった。キクガシラコウモリから人に伝染したSARSは、最終的に約30か国に拡散した。致死率は9.5%だった。