【4月15日 AFP】第2次世界大戦(World War II)中に従軍した英国の退役軍人の男性(99)が、新型コロナウイルスと最前線で闘う医療従事者らのために募金活動を行い、14日までに150万ポンド(約2億円)以上の寄付金を集めた。男性が呼び掛けを行った募金サイトは殺到した寄付の申し込みにより、一時的に機能が停止するほどだった。

 大戦時にはインドで従軍していたトム・ムーア(Tom Moore)さんは、歩行器を使って自宅の庭で25メートルを100回歩く目標を立て、スポンサーを募集。今月末に迎える自らの100歳の誕生日を募金活動の締め切りとした。

 ムーアさんは臀部(でんぶ)の骨折とがんの治療を受けた後、国民保健サービス(NHS)への寄付として1000ポンド(約13万円)の募金を集めることを当初計画していた。

 しかしイングランド南部ベッドフォードシャー(Bedfordshire)州にある自宅の庭で、約束した100回のうち70回まで歩き終えた段階で、集まった寄付金は100万ポンド(約1億3000万円)の大台に乗った。

 英ITVの朝番組「グッドモーニング・ブリテン(Good Morning Britain)」に出演したムーアさんは、集まった寄付金の額について「最前線で働く医師や看護師にとって素晴らしい」とコメント。「先の戦争で最前線にいたのは、軍服を着た兵士だった。今回闘っているのは、医療用のユニホームを着た医師や看護師たちだ」「私たちはこの状況を生き延びる」と述べた。

 ムーアさんが呼び掛けを行った募金サイト「ジャストギビング(JustGiving)」では、7万人以上が募金に参加。寄付の集まるペースにサイトがついていけず、一時的に機能停止に陥った。(c)AFP