【4月15日 AFP】新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)に伴い、フランス政府が大規模集会の禁止期間を7月中旬まで延長したことを受けて、自転車ロードレースの三大ツール(グランツール)の一つ、ツール・ド・フランス(Tour de France)の主催者が日程の再調整に取り組んでいる。

 ツールは6月27日にニース(Nice)をスタートし、7月19日にパリでゴールする予定だったが、エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領は14日、厳格な封鎖措置を5月11日まで、併せて大規模集会の禁止を7月中旬まで延長すると発表した。そのため日程通りの開催は不可能となり、主催者は大がかりな計画変更を強いられている。

 新たな日程について、仏紙ドーフィネ・リベレ(Dauphine Libere)は、8月27日~9月20日になると報道した。

 主催者であるアモリ・スポル・オルガニザシオン(ASO)のコメントは取れていないが、コース上のいくつかの町の町長は、代替日程について打診を受けたことを明かしている。また、ASOのクリスティアン・プリュドム(Christian Prudhomme)代表は以前から、選手の準備に封鎖解除から2か月は必要だと話している。

 クリストフ・カスタネール(Christophe Castaner)内相は、日程変更か中止かの判断をASOに委ね、「自分たちの運営能力を分析し、再調整するかは主催者次第だ」と話した。

 大会は全長3000キロメートル以上に及び、1日当たり約50万人のファンが沿道で声援を送る。ベルギーのウイルス学者は「コース途中で対人距離を確保することはできるだろうが、スタート地点の町やフィニッシュ地点、VIP用テントでは間違いなく問題になる」と話している。

 しかしプリュドム代表は「ツール・ド・フランスは3000キロの笑顔の道のりだ」「ファンなしでやるつもりはない」と話しており、無観客で開催することは考えていない。(c)AFP