【4月15日 AFP】米ファストフード大手マクドナルド(McDonald's)は、中国南部の店舗で黒人の入店禁止が掲示され、インターネット上で怒りの声が噴出したことを受けて謝罪した。この店舗がある都市では、アフリカ人への差別的対応が相次いで報告されている。

 問題となったのは、広東(Guangdong)省広州(Guangzhou)の店舗。地元当局が、移民が多い地区で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のクラスター(感染者集団)が発生したと発表した後に、警察とアフリカ人らの間で緊張が高まっていた。

 対立が深刻化する中、あるマクドナルドの店舗での黒人の入店禁止という掲示を捉えた投稿がインターネットで広く共有された。

 これを受けてマクドナルドが謝罪。同社広報担当者はAFPに対し、この掲示は「わが社の包摂(ほうせつ)性を重視する価値観を表すものではなかった」と説明した。

 同社は「お客様に対し、無許可で告知を行ったことが判明してすぐに」この掲示を撤去するとともに、同店を一時的に閉鎖したと、電子メールで明らかにした。

 複数のアフリカ人がAFPに語ったところによると、警察による宿泊施設からの強制退去や、店舗や食堂の利用拒否、大規模な検査や恣意(しい)的な隔離が行われているという。

 事態は外交問題にも発展し、13日には20か国以上のアフリカ諸国大使や公使らが、中国外務省の高官に面会した。(c)AFP