【4月14日 AFP】オーストラリアとニュージーランドは14日、新型コロナウイルス感染拡大の抑制には成功しているとしたものの、遠方への移動や人同士が集まることに対する厳しい制限措置の緩和については慎重な姿勢を示した。

 隣国同士である両国ではこの2週間、新型コロナウイルスの新規感染者数が劇的に減少しており、厳しいソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)の措置が緩和されるのではないかとの希望的観測が高まっていた。

 だがオーストラリアのスコット・モリソン(Scott Morrison)首相は、初期対応に成功したシンガポールや韓国などの国々でも移動などの制限を緩和した後に新規感染者が急増したと指摘し、オーストラリアでの規制解除は「何週間も先」だとの見方を示した。

 人口2500万人のオーストラリアでは12、13日の新規感染者が合わせて63人にとどまり、2日間の感染者数としてはここ1か月間で最低だった。総感染者数は6366人となっている。

 また、人口500万人のニュージーランドでは14日に8人の感染が新たに判明したものの、1日の感染者数としてはここ3週間で最も少なく、総感染者数は1072人となった。

 ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン(Jacinda Ardern)首相14日、ロックダウン(都市封鎖)の緩和時期について問われ、「自信を持って規制の緩和を行える状況にするため、短期間で険しい道を進むことを目標にしなければならない」と述べ、少なくともあと1週間はいかなる緩和もないとの見解を示した。

 ただ、こうした規制は経済に深刻な打撃を与えている。パンデミック(世界的な大流行)による影響を抑えるため大規模な財政支出を打ち出しているにもかかわらず、オーストラリア当局は14日、失業率は10%に倍増するとの見通しを示した。(c)AFP