【4月14日 CNS】「やっとこの日が来た。早く西湖(West Lake)に行って、杭州(Hangzhou)の春を見に行きたい」。新型コロナウイルスの感染拡大で、流行の中心地となった武漢市(Wuhan)に思いもよらず80日間滞在した栄養士の林単(Lin Dan)さんは、声を張り上げて喜んだ。

 4月8日午後、76日間続いた武漢のロックダウン(都市封鎖)が解除されて最初の杭州行き列車が、杭州東駅に到着した。林さんを含む300人余りの武漢からの乗客は、マスクとゴーグルを着けて多くの荷物を手にホームへ降りた。誰もが興奮を隠せない様子だった。

「先週の木曜日に封鎖の解除を知り、すぐチケットの手配をしました。早く杭州に戻れるよう、事前に体温検査と健康コードも準備しました」と話すのは、杭州でIT関係の仕事をしている尹さん。武漢ではずっとインターネットを通じて仕事をしていたが、「杭州に戻ってようやく通常の仕事ができるのがうれしい」と話す。

 列車の中で特に目立ったのは、全身を青い防護服に包んだ若い男性の孫景さん(仮名)だ。「防護服は、一緒に乗車する皆さんにも安心感を与えたかったから。杭州には妻がいるから、一刻も早く会いたい」。孫さんはそう言って、列車を降りるとすぐ出口まで急いだ。

 杭州東駅管理委員会の孫栄俊(Sun Rongjun)副主任は「8日は武漢から杭州地域に向かう高速列車が3本再開し、900人以上が杭州に戻ってきた」と話した。武漢からの乗客がスムーズに外に出られるように、100人以上のスタッフが乗客の体温検査と身元確認を実施した。

 武漢を離れた人は、7日以内に地元の医療機関で新型ウイルスの検査を受けなければならない。杭州市では28か所で受けられる。検査後に杭州市の健康コードが発行され、問題がなかったことを示す「緑色」であれば普段通りの生活できる。(c)CNS/JCM/AFPBB News