【4月13日 AFP】ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇(Pope Francis、83)はイースター(Easter、復活祭)の12日、新型コロナウイルスの犠牲者に祈りをささげ、封鎖下にある世界各地に向けバチカンから異例のライブ配信で復活祭のメッセージを届けた。

 サンピエトロ大聖堂(St Peter's Basilica)の広大な大理石の床に、間隔を空けて立つわずか数人の司祭らと少人数の聖歌隊が出席した厳かな儀式で、教皇は静かに語った。

 封鎖されたバチカンの門の外ではパンデミック(世界的な大流行)による死者が11万人以上に達し、数十億人が外出を制限されている。

 教皇のメッセージがライブ配信されるのはこれが初めてだ。新たな病が社会を変え宗教行事の在り方を変える中、バチカンはライブ配信という技術を受け入れる形となった。

「多くの人は今回、パンデミックが引き起こしている身体的苦痛から経済困難に至るまで、悲しみと苦難のただ中で孤独なイースターを迎えている」と教皇は語った。

「この病は、人間的な親密さだけでなく、秘跡(サクラメント)より流れ出る慰めをじかに受け取る可能性をも私たちから奪っている」

 世界のほぼすべての教会が閉鎖される中、13億人に上るカトリック信徒の多くはキリスト教にとって最も聖なる日であるイースターを自宅待機の中で迎えた。

 映像はCTVが12日撮影・提供。(c)AFP/Dmitry ZAKS