【4月13日 AFP】ラグビー元イングランド代表のニック・アベンダノン(Nick Abendanon)が12日、現役引退を表明した。所属チームの試合が新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)で中断し、実力を証明する機会を失ったことが理由だという。

 アベンダノンは、イングランド代表として2007年にテストマッチ2試合に出場している33歳。2014年に9シーズンを過ごしたイングランド・プレミアシップのバース(Bath Rugby)を離れ、フランス・トップ14のクレルモン・オーヴェルニュ(Clermont Auvergne)に加入し、今季が契約最終シーズンだった。

 クレルモンでは2017年にリーグ優勝を果たし、ヨーロピアンラグビーチャレンジカップ(European Rugby Challenge Cup)優勝も経験。2015年には欧州最優秀選手に輝いた。

 アベンダノンは仏ラグビー専門紙ミディオリンピック(Midi Olympique)で「難しいが、6月末でやめざるを得ない。他に選択肢がなかった」「自分の中では、シーズン末までにできるだけ多くプレーして、このレベルでまだやれること、別のクラブと契約できる力があることを証明したいと思っていた」とコメントした。

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、トップ14は9節を残して中断している。またクレルモンは、ヨーロピアンラグビーチャンピオンズカップ(European Rugby Champions Cup)でもベスト8に勝ち残っている。

 アベンダノンは「本意では全くないが、人生にはどうしようもないことや、予定よりも重大な出来事がある。やめる覚悟はできていないが、仕方がない」と話している。

 今後については、米国のサンディエゴ・リージョン(San Diego Legion)と交渉を進め、またイングランドのロンドン・アイリッシュ(London Irish)も移籍先の候補に挙がっていた。しかし本人は「いくつかのクラブから接触があり、話し合いも進んでいたが、すべて凍結された。だから今は何もない」と明かした。(c)AFP