【4月13日 AFP】サッカー元イングランド代表GKのピーター・ボネッティ(Peter Bonetti)氏が、長年にわたる闘病生活の末、78歳で亡くなった。かつて同氏がプレーしたイングランド・プレミアリーグのチェルシー(Chelsea)が12日、発表した。

 その機敏さから「ザ・キャット」の愛称で呼ばれ、1960年代から1970年代を通じて現役を続けたボネッティ氏は、チェルシーで20年近く主力として活躍した。

 チェルシーは発表文の中でボネッティ氏が「長きにわたって病気を患っていた」と記した。「ピーターのご遺族やご友人に対し、チェルシーの全員が心からお悔やみ申し上げる」

 身長180センチにも満たず、現代の基準からすれば比較的小柄なGKだったボネッティ氏は、1960年からチェルシーでプレー。1975年には北米サッカーリーグのセントルイス・スターズ(St Louis Stars)に移籍するも、チェルシーに復帰し、同クラブで計729試合に出場した。

 1979年に引退したボネッティ氏が記録した208度のクリーンシートは、2014年にペトル・チェフ(Petr Cech)氏に破られるまでクラブの最多記録だった。

 一方、チェルシーでの出場試合数でボネッティ氏を上回っているのは、795試合に出場した元DFのロン・ハリス(Ron Harris)氏しかいない。

 ■「信じられないセーブ」

 ボネッティ氏のチームメートだったハリス氏は同日、英スカイ・スポーツ(Sky Sports)に「彼の身長は177センチほどで、とてもきゃしゃだがアクロバチックな選手だった。数々の信じられないセーブをやってのけた」とコメントした。

「現代のGKを批判するつもりは一切ないが、チェルシーで最高のGKは誰かと尋ねれば、クラブについて詳しい古くからのサポーターは皆ピーター・ボネッティと答えるだろう!」

 ボネッティ氏の現役時代はゴードン・バンクス(Gordon Banks)氏やピーター・シルトン(Peter Shilton)氏と重なっていたため、イングランド代表としての出場は7試合にとどまった。

 ツイッター(Twitter)で哀悼の意を表したシルトン氏は、ボネッティ氏について「私の英雄であり、素晴らしい選手。本物の紳士だった」とつづった。

 ボネッティ氏は1966年W杯(World Cup)を制したイングランド代表のメンバーだったが、当時はバンクス氏が正GKだったため、大会期間中に出番はなかった。(c)AFP