【4月13日 AFP】ロシア国営宇宙開発企業ロスコスモス(Roscosmos)のドミトリー・ロゴジン(Dmitry Rogozin)社長は11日、富豪のイーロン・マスク(Elon Musk)氏が創設した宇宙開発企業スペースX(SpaceX)の打ち上げ料金の値段設定は略奪的な水準であり、料金引き下げの方向にロシアを圧迫していると批判した。

 ロゴジン氏はツイッター(Twitter)への投稿で、「彼らは宇宙への打ち上げのマーケットで正直な競争をする代わりに、われわれに対する制裁を働き掛け、処罰されることなくダンピング(不当廉売)を用いている」と述べた。

 ロゴジン氏は10日、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領との会談でこの問題を取り上げ、ロスコスモスが「打ち上げサービスの料金を30%超引き下げ、国際市場でシェア拡大を図る方向で動いている」と明かした上で、「これが米国の予算から資金を受けている米国企業のダンピングに対する、われわれの答えだ」とした。

 この批判を受けてマスク氏は11日、ツイッターに「スペースXのロケットは80%再利用可能だが、彼ら(ロシア)のは0%。これが実際の問題だ」と投稿した。

 スペースXは来月、国際宇宙ステーション(ISS)に初めて、「ファルコン9(Falcon 9)」に宇宙飛行士を乗せて送る計画で、再利用可能なロケットでミッションのコスト抑制を図る。先月にはカプセル型宇宙船「クルー・ドラゴン(Crew Dragon)」によるISSへの旅行客輸送を、来年開始する意向を明らかにしている。

 ただロゴジン氏は、スペースXの割安な打ち上げ料金は、米国防総省からの潤沢な資金を受けてこそ可能だと主張している。(c)AFP