55万人の農民が出稼ぎ先にチャーター車両で直行 四川省の「春風行動」
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【4月19日 People’s Daily】3月17日午前10時、四川省(Sichuan)蘆山県(Lushan)のバスターミナルから、計98人の農民を乗せた4台の大型バスが出発した。新型コロナウイルスの感染防止のため、バスは「ドア・トゥー・ドア」方式でまっすぐ、出稼ぎ先の湖北省(Hubei)黄岡市(Huanggang)紅安県(Hong'an)へと向かった。感染症がピークを越え、出稼ぎ農民を安全に各地に送る「春風行動」プロジェクトの一環だ。
蘆山県竜門村(Longmen)の農民傅玉剛(Fu Yugang)さんも乗客の1人。この日は朝を迎えると、荷物を持ってバスターミナルに駆けつけ、出発の時刻を待ちわびた。「ちょうどいいタイミング。これでわが家の家計が救われます」。傅さん一家は数年前まで貧困世帯だったが、黄岡市へ出稼ぎに行くようになり、傅さんの月収は6000元(約9万2000円)にまで増えた。
操業を再開し始めた湖北省の各企業は3月13日、働き手として農民の派遣を四川省政府に要請。四川省の交通運輸局など関係部門が即座に対応し、3日後には派遣を実現した。
四川省は労働者の「一大派遣地域」で、毎年2500万人が全国各地に働きに出ている。四川省政府にとって農民の出稼ぎ先を確保し、派遣することは重要施策となっている。
ところが今年に入り新型肺炎が爆発的に拡大すると、省と省をまたぐ交通網は途絶えた。四川省の交通運輸局、人力資源局、衛生健康委員会は2月初め、農民たちを出稼ぎ先へ送り出すプロジェクト「春風行動」を立ち上げた。労働者の道中の安全確保とスムーズな運行を図るため、受け入れ企業が多くある広東省(Guangdong)、浙江省(Zhejiang)、湖北省などの地元政府と協議し、「ドア・トゥー・ドア」方式の送り出し作業に取りかかった。
四川省では2月22日から、交通が再開した高速道路で「体温測定の検問一括システム」を導入。検温で問題がない乗客に最初に「健康証明カード」を手渡し、高速道路で何度も行われる検問でカードを見せるだけでスムーズに通過できるようにした。
3月3日午後、四川省西昌市(Xichang)のバスターミナルで、19歳の魯日古(Lu Rigu)さんとその両親や親戚ら9人がチャーター車に乗り込んだ。一行は地元の保健所で健康証明書を発行され、広東省恵州市(Huizhou)の工場に直接向かった。乗客はバスの中でも互いに間隔を空けて座った。チャーター車両の乗車率は50%以内と厳格に定められており、56人が定員のバスでは乗客は28人以下と決められている。さらに乗客のため、カップ麺やビスケット、ミネラルウオーターが提供された。
バスや列車のチャーター便のほか、「空のチャーター」もある。2月26日朝、農民の王兵趕(Wang Binggan)さんは四川省巴中市(Bazhong)の空港からチャーター機で飛び立った。新型肺炎が猛威を振るっていた当時は考えられなかったことだ。巴中市の人材派遣サービスセンターの李孟芝(Li Mengzhi)さんは「政府と企業の補助により、農民たちはチケット代として500元(約7500円)払うだけです」と説明する。
3月20日までに「春風行動」により2万9000台のチャーター車両を用意し、55万2000人の農民を派遣した。これはプロジェクトで送り出す計画の農民の96.8%に達している。(c)People's Daily/AFPBB News