【4月11日 AFP】新型コロナウイルスの流行が中南米で最も深刻なブラジルの保健省は10日、同ウイルスによる国内の死者が1000人を超えたと発表した。

 ブラジル保健省の最新の発表によると、同国で確認された新型コロナウイルス感染症患者は1万9638人で、うち1056人が死亡した。

 ブラジルの死者はイタリア(日本時間11日午前4時現在のAFPの集計で1万8849人)、米国(同1万8002人)、スペイン(同1万5843人)などに比べると少ないが、ブラジルの流行は4月下旬にかけてピークを迎えると予測されており、保健当局は患者や死者は増えるとみている。

 特にサンパウロ(Sao Paulo)やリオデジャネイロ(Rio de Janeiro)などの都市にあり、基本的な健康・衛生インフラがない中で大勢の人が暮らしているファベーラ(Favela)と呼ばれる貧民街での流行が懸念されている。

 新型コロナウイルス感染症を「小さなインフルエンザ」と呼び、社会の反応は「ヒステリー」だと述べたジャイル・ボルソナロ(Jair Bolsonaro)大統領は、新型コロナウイルスを軽く考えているとして厳しく非難されている。

 州などの地方自治体が不要不急の企業や商店を休業させ、住民には自宅にいるよう求めていることについて、ボルソナロ大統領は、無駄に経済を痛めつけていると述べ、地方と真っ向から対立している。(c)AFP