【4月11日 AFP】スペイン1部リーグのFCバルセロナ(FC Barcelona)は、ジョゼップ・マリア・バルトメウ(Josep Maria Bartomeu)会長体制下で政治的混乱が続く中、副会長のエミリ・ロウサウド(Emili Rousaud)氏ら幹部6人が9日夜に辞任した。同氏は誰かが「横領した」と主張しているが、クラブ側は「深刻かつ事実無根の告発」と汚職疑惑を否定している。

 辞任した幹部6人は10日、スペインの地方紙バンガルディア(La Vanguardia)の紙上で、2021年に予定されているバルセロナの会長選前倒しを求めた共同書簡を公開。ロウサウド氏は1月に同クラブの副会長に任命され、次の会長選には出馬できないバルトメウ会長の後任候補筆頭と目されていた。

 ロウサウド氏は同国のラジオ局カデナ・セル(Cadena Ser)とのインタビューで、リオネル・メッシ(Lionel Messi)やジェラール・ピケ(Gerard Pique)を含め、バルトメウ会長に敵対する人物をおとしめるためにクラブがプロモーション企業のI3ベンチャーズ(I3 Ventures)と契約したとして、2月にソーシャルメディアで物議を醸すと同時に同クラブを揺るがせた騒動について言及した。

 また、同日には地元ラジオ局Rac1で、「会計検査官が10万ユーロ(約1186万円)のコストと見積もったものに対し、100万ユーロ(約1億1860万円)が支払われていたら、誰かが横領したということだ。証拠はないし、それが誰であるかは言えない」と語った。

 これに対してクラブ側は公式のコメント文を発表し、「クラブの元副会長であるエミリ・ロウサウド氏が今朝、複数のメディアで話した疑惑は深刻かつ事実無根の告発であり、FCバルセロナは汚職と称されるようないかなる行いについては断固否定する。従って、相応の法的手続きを取る権利を有する」と主張した。

 バルトメウ会長は2月にI3ベンチャーズとの契約を終了しており、雇用の理由についてはソーシャルメディアへの投稿の監視であると説明した上で、不正行為の有無に関する内部監査を表明した。

 メッシは1月、前指揮官のエルネスト・バルベルデ(Ernesto Valverde)氏が解任されたのは選手に問題があったと示唆したスポーティング・ディレクター(SD)のエリック・アビダル(Eric Abidal)氏に反発。また、先月には選手の給与削減をめぐり、クラブ側の交渉のやり方について批判していた。(c)AFP