【4月11日 Xinhua News】野生ジャイアントパンダが生息する中国・甘粛省(Gansu)白水江国家級自然保護区では、昨年末に導入したパンダ生息地空間データ動態モニタリングシステムの「パンダ顔認証」技術を生かし、野生パンダの活動状況をリアルタイムで観察し、映像資料データベース作りを進めている。

 同自然保護区管理局ジャイアントパンダ管理弁公室の何礼文主任は次のように説明した。

 動物の体は変化が多様で、顔認証技術は人より難しく、導入まで3年余りかかった。情報技術専門の志成信科科技公司と協力し、識別の正確度や近距離野外電力供給、信号伝送など多くの技術的難題を解決した。電線や光ケーブルを地中に埋設し、信号の発信ポイントを各所に設け、試行区域内の6カ所の観測ポイントに赤外線観測装置を設置し、リアルタイムで映像を得ている。

 このシステムの導入で時間も手間も省け、野外観察の作業効率が大幅に上がった。以前は定期的に原始林に入り、赤外線カメラの電池やメモリーチップを交換する作業もあり、1回の観察に数日から数週間かかった。この観察システムができ、遠隔観察が可能になり、映像も鮮明で、作業が楽になり、効率もアップした。

 システムは昨年末から使用し、赤外線カメラ撮影、遠隔伝送によって野生パンダの映像資料データベースを立ち上げた。今後、保護区管理局はシステム試行段階の初期作業を総括し、今後の全面的導入に向け基礎を固める。このシステムでこれまでに野生パンダの数十本の活動映像を撮影した。

 全国第4回パンダ調査によると、甘粛省に生息する野生パンダは132頭で、うち110頭が白水江国家級自然保護区内に生息している。(c)Xinhua News/AFPBB News