【4月10日 AFP】総合格闘技大会「UFC(Ultimate Fighting Championship)」は9日、米国が新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)と闘っている中で物議を醸していた、今月のイベント開催を白紙撤回した。

 UFCは今月、「UFC249」を無観客で開催する計画を立てていた。報道によると、会場は米カリフォルニア州にある先住民の居留地と伝えられていたが、同日に突如としてその計画を覆し、米スポーツ専門チャンネルESPNからの要請を理由にイベントを延期するとのコメント文を発表した。

「UFC249の開催に向けて万全の準備を整えていたが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の大流行を踏まえ、さらなる通達があるまで当該イベントと今後の試合を延期するようESPNから要請された」「UFCはできる限り早期に、ライブイベントスケジュールが全面的に再開できるようにしていく」

 米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)は前日の8日、UFCのダナ・ホワイト(Dana White)代表が18日にカリフォルニア州のタチ・パレス・カジノリゾート(Tachi Palace Casino Resort)でイベントを開催する計画を持っていると報じていた。

 UFCは先住民の居留地で試合を開催することによって、スポーツ界を中断に追い込んでいる新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるための州のガイドラインを回避できる可能性があった。しかしながら、この動きに対して同州のダイアン・ファインスタイン(Dianne Feinstein)上院議員が反発し、UFC側に延期を促した。

 新型コロナウイルス対策でさまざまな制限が講じられている中、UFCは試合会場を見つけることができず、すでに三つのイベントが中止となっている。(c)AFP