【4月9日 Xinhua News】7日に開かれた中国国務院常務会議で、中国最大の貿易商談会「第127回中国輸出入商品交易会」(広州交易会)を6月中旬から下旬にインターネット上で開催することが決まった。中国で最も歴史の長い貿易商談会である広州交易会がネット上で開催されるのは今回が初めて。国内外の業者は外出せずに発注、商談することが可能になる。

 新型コロナウイルスは世界中で感染が広がっており、情勢は厳しい。会議では、国内外の業者を広く募ってオンラインで商品を展示、最先端の情報技術(IT)を駆使し、全天候型のオンラインプロモーション、供給側と調達側のマッチング、オンライン商談などのサービスを提供、優れた品質の独自色のある商品を取り扱うオンライン貿易プラットフォームを構築することが決定された。

 対外経済貿易大学(University of International Business and Economics)国際経済研究院の庄芮(Zhuang Rui)副院長は「『オンライン広州交易会』の開催は特別な事情と背景を踏まえた全く新しい試みだ」と語る。国内外の業者には、今後も広州交易会という世界的に認知されている重要な貿易取引の場を活用してビジネスを進めることに対する大きな需要と強い要望があると説明。さらに、中国はデジタル経済が発展しており、広州交易会をオンラインで開催する条件が整っているとの認識を示した。

 中国国際経済交流センターの張燕生(Zhang Yansheng)首席研究員は、「オンライン広州交易会」では展示ブースや商談室、ホテルなどの制約を受けずに済むとの見方を示した。それよりも重要な点として、これまでは貿易の量を追求していたが、今後はもっと細やかに、入念に取り組んでいく必要があると指摘。「『オンライン広州交易会』はクラウドコンピューティングやビッグデータ、産業用モノのインターネット(IIoT)などを実際に活用して質の高い貿易の発展を推進していく上で格好の機会になる」と語った。

 会議では、越境電子商取引(EC)総合試験区の増設や加工貿易支援にまつわる重要な措置も打ち出された。すでに設立されている越境EC総合試験区(59カ所)に加え、新たに46カ所を増設することなどが決定されている。(c)Xinhua News/AFPBB News