【4月10日 CNS】中国・吉林省(Jilin)樺甸市(Huadian)で5日、傷ついたオスのイヌワシが保護された。イヌワシはアムールトラやジャイアントパンダなどと共に中国の1級保護動物に指定されており、吉林省で見つかるのは珍しい。

 樺甸市内の山林で3日午後1時ごろ、翼にけがをしていたイヌワシを村人が発見した。村人は林業局へ報告。市の野生動物保護協会と連絡を取り、保護して市の野生動物保護ステーションに移送した。

 市野生動物保護協会の呉剣鋒(Wu Jianfeng)副事務局長によると、イヌワシは2歳くらいで翼を広げた長さは2.5メートル、体重3.4キロ。右の翼に傷があり、飛べなくなっていた。呉さんは「村人が見つけていなければ、数日以内に感染症と飢餓で死んでいただろう」と話す。

 健康状態は悪く、いつ命を落としてもおかしくなかったため、地元の動物病院に連れて行った。獣医師は「右の翼の筋肉には壊死(えし)の症状があり、赤外線治療が必要」と診断。傷口を治療し、抗生物質の注射を何度も打った後には食事もできるようになった。

「イヌワシは野生のキツネやウサギ、ヒツジ、オオカミを食べる自然界最高のハンター。これほどのけがをするのは不思議だ」と呉さん。寿命は最長60年に及ぶ。治療は継続するが、飛行能力が回復しなければ、野生動物保護ステーションでずっと養っていくという。(c)CNS/JCM/AFPBB News