【4月10日 CNS】新型コロナウイルスの感染の影響を受け、一部の国は食糧の輸出禁止令を出した。国連食糧農業機関(FAO)も、この感染症は労働力不足とサプライチェーン破壊を招き、一部の国と地域の食糧の安全に影響を与える可能性があると警告している。中国の国民は、この情勢で食糧安全について心配を始め、中国の食糧は足りているか、備蓄する必要はないかなどが話題となっている。

 しかし、中国の「国務院共同対策メカニズム」の4日の記者会見で、感染症対策期間中の食糧供給と保障について、農業農村部と国家粮食・物資備蓄局の責任者は「中国の食糧は絶対に安全で保障があり、1人あたりの食糧占有量は世界平均を上回り、小麦と米の2大食糧の在庫はおおよそ全国民が1年間に消費する量に達している」などと説明した。

 現時点で、7か国が食糧輸出を制限あるいは禁止している。世界で3番目のコメ輸出大国であるベトナムは、新たなコメ輸出契約はしばらく行わないと宣言。カンボジアは白米と玄米の輸出を禁止し、香り米のみ輸出を許可する予定だ。カザフスタンは小麦と小麦粉の輸出を割当制にする計画だ。

 これらの国の動きが中国の食糧安全に与える影響について、農業農村部発展規劃司の魏百剛(Wei Baigang)司長は4種のデータを示して説明した。

 第1に食糧の生産量。中国の生産量は過去5年間、安定して1兆3000億トンを超えている。小麦は多年来、需給はバランスしており、米は供給が需要を上回っており、食糧の安全は保障できる。

 第2は1人当たりの平均食糧占有量。2010年以降、中国の食糧占有量は世界の平均水準を上回っている。

 第3は食糧備蓄量。現在の在庫消費率はFAOが定めた17~18%の安全基準をはるかに上回っている。

 第4は中国の穀物輸入量。昨年の穀物輸入量は1468万トンで、中国の穀物の年間消費量の約2%にすぎない。

 魏司長によると、新型ウイルス感染の影響を受け、世界の食糧相場は確かに上昇しており、食糧安全が世界的な話題となっているが、冷静かつ理性的に対応している。現在、世界の食糧供給は十分であり、2019~20年度の世界の食糧(大豆を含まず)供給量は34億7000万トンで総需要量は26億7000万トンと、期末在庫は8億トン近い。在庫消費率は約30%と全世界の供給総量から見れば不足することはないという。(c)CNS-澎湃新聞/JCM/AFPBB News