【4月7日 AFP】男子テニスのニック・キリオス(Nick Kyrgios、オーストラリア)は6日、新型コロナウイルスによるロックダウン(都市封鎖)の間、空腹を感じている人々に食料を届けると申し出た。同選手は今年1月にも、母国で発生した大規模森林火災の支援で選手の先頭に立っていたが、このたび再び慈善活動を行うことになった。

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 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の制限によってあらゆる産業が閉鎖されているオーストラリアでは、多くの人が失業に追いやられている。そうした中、歯に衣(きぬ)着せぬ物言いやコート上での激しい態度で知られ、物議を醸すこともあるキリオスは、必要としている人の家の玄関に個人的に食料を届けると明かした。

 首都キャンベラに拠点を置く世界ランキング40位のキリオスは、インスタグラム(Instagram)に「空腹のまま眠りにつかないでほしい。俺に直接メッセージを送ることを恐れたり恥ずかしがったりするな。俺が持っているものを共有できるのなら何よりもうれしい」と投稿した。

「たとえ1箱分のカップ麺やパン1斤、牛乳でもだ。皆さんの家の玄関まで届ける。質問は受け付けない!」とつづられたこの投稿には、すでに9万件以上の「いいね!」がついている。

 現在24歳のキリオスは1月、森林火災の被害に遭った人々を支援する運動をけん引し、このキャンペーンは数百万豪ドルを集めた。自身も、今季の四大大会(グランドスラム)初戦となる全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament 2020)が終わるまでの間、同国の夏に開催された大会でサービスエースを1本記録するごとに200豪ドル(約1万3000円)を寄付した。

 選手たちや全豪オープンの主催者も森林火災の支援に貢献したが、テニス界におけるこの活動を推進したのはキリオスだと考えられており、新たに尊敬を集めていた。(c)AFP