【4月7日 AFP】インドネシアの首都ジャカルタで、新型コロナウイルスによる犠牲者らの埋葬を警護するため、警察の特別班が立ち上げられた。当局が6日、明らかにした。同地では、恐れをなした住民らによる葬儀の妨害が懸念されている。

 スラウェシ(Sulawesi)島や中ジャワ(Central Java)州の複数の都市では、新型ウイルスによる死者の遺体を救急車が墓地へと移送するのを妨げるため、怒った暴徒が道をふさぐ騒ぎも発生している。

 先週末に発足した特別班は、ジャカルタ警察の120人強が遺体の見張りに当たる。遺体は病院から市内2か所にある新型ウイルスの犠牲者用の墓地へ移送され、ポリ袋で覆われ、すぐさま埋葬されるという。

 特別班の班長は「よその都市でこうした出来事があったが、われわれはジャカルタで同様のことが起きてほしくない。そのような訳で、予防措置として、直ちにチームを組織した」と話した。

 保健当局は6日、新型ウイルスによりこれまでに209人が死亡し、2500人近くの感染が確認されていると発表。ただ、2億6000万人以上の人口を抱える同国は、検査の実施率が低いままとなっている。

 墓地では、約30人の警察官が埋葬場所と墓地の入り口の見張りに当たる一方、他の班員は遺体が乗せられた救急車が妨害を受けることがないように任務に当たる。

 医療従事者を妨害したり、埋葬の邪魔をしたりする者は最大で禁錮1年の刑が科せられる可能性があるという。

 特別班の班長は「われわれはまず、説得を試みるつもりだが、もし彼らがやめない場合、断固とした行動を取り、警察署に連行する」と話した。(c)AFP