【4月6日 AFP】中国がここ1か月余りで諸外国に輸出したマスクの数が、累計40億枚近くに上っていると、関係者らが5日、明らかにした。ただ中国が輸出する医療物資の品質をめぐっては懸念が広がっており、同国はその払拭(ふっしょく)に努めている。

 中国国内の新型コロナウイルス感染者数は減少する一方、世界では死者が増え続けており、一部では防護用品不足も発生している。中国政府は、工場に医療用品の増産を促している。

 税関関係者の話によると、先月1日以降、マスク38億6000万枚、防護服3750万着、人工呼吸器1万6000台、新型ウイルス用の検査キット284万セットが輸出された。輸出先は50か国を超え、医療用品の輸出総額は102億元(約1570億円)に上ったという。

 一方でオランダやフィリピン、クロアチア、トルコ、スペインなどの多数の国から、中国から輸入した医療製品が規格外品または欠陥品だったと苦情が上がっている。

 オランダ政府は先週、中国から輸入したマスク130万枚のうち、品質基準を満たしていなかった60万枚を回収。中国側は、メーカーは「(マスクは)外科手術用ではないとはっきりと伝えていた」と説明した。

 スペインも先週、未認可の中国企業から送られてきた迅速検査キットに信頼性がないことが判明したとして、数千セットを返品した。

 中国当局は5日、中国製医療用品の欠陥に関する報道は「事実を完全に反映していない」として、これに反論している。(c)AFP