【4月9日 CNS】中国の有名コーヒーチェーン店「瑞幸珈琲(luckin coffee、ラッキンコーヒー)」の22億元(約337億円)に上る粉飾決算事件の行方に注目が集まっている。中国証券監督管理委員会は3日、事件を重大視し、強く非難すると発表した。

 公表データによれば、同社は英領のケイマン諸島(Cayman Islands)で企業登記し、海外の証券会社を通じて米国ナスダック証券市場(NASDAQ)に上場している。

 中国証券監督管理委員会は「同社がどこで上場しているかにかかわらず、上場企業は市場の法律と規則を厳格に順守しなければならず、正確な情報を公表する義務がある。国際的な証券監督機関と協力して事実確認の上、証券詐欺行為を処罰し投資者の権益を守る」と述べている。

 同社は2日夜、2019年の連結決算報告の審査で問題を発見したため、董事会が特別委員会を編成、内部調査を行っていると発表。初期調査で、19年第2四半期から劉剣(Liu Jian)最高執行責任者(COO)をはじめ関係者数人が規則違反行為に関わり、架空取引を含め営業実績の水増し額が22億元にも上ることが明らかになった。

 情報公開後、同社の株価は大幅に下落。市場開始間もなく緊急取引停止措置の対象となり、その後も取引停止措置が繰り返され、株価は最終的に75%の大幅下落で取引を終えた。

 同社の総裁弁公室の社内発表によれば、劉剣COOを含む4人が停職となった。

 メディアの報道によると、中国各地で3日、同社店舗に客が殺到し、一部の店舗では注文がさばき切れない状況になった。ある客によると、手元にある優待チケットが無効になるのを恐れて、早く使おうとしている人たちだという。

 米国の株式投資情報会社「渾水(Muddy Waters Research)」が1月末、SNSで瑞幸珈琲の架空取引と詐欺行為を暴露すると、同社の株価は26%以上も下落した。実際、中国の投資家は同社にずっと疑いの目を向けていた。同社の事業拡張があまりにも急速で、資金投入が尋常ではなかったからだ。

 小型専門投資金融機関「香頌資本(Chanson Capital)」の沈萌(Sheng Meng)執行董事は「もし同社に実績の虚偽申告があったのなら、株主集団訴訟を起こされ、関係する責任者は捜査の対象となり、有罪となる可能性がある」としている。(c)CNS/JCM/AFPBB News