【4月5日 AFP】南太平洋の島しょ国、ソロモン諸島沖で、フェリーが気象警報を無視して激しい嵐の中を出港したところ、乗船していた27人が高波にのまれたとみられ、行方不明になった。同国の警察当局が5日、認めた。

 警察本部長のリチャード・メナピ(Richard Menapi)氏によると、捜索海域で大量の破片が見つかったものの、遺体は発見されていないという。

 島々を結ぶフェリー「タイマレホ(Taimareho)」は2日夜、乗客700人超を乗せ、首都ホニアラから120キロ先のウエストアレアレ(West Are'are)に向かって出港。だがソロモン諸島はサイクロンに見舞われていたため、当局は航海しないよう警告していた。船は3日未明に高波に襲われたという。

 当局は、船上で波にさらわれた乗客の人数を断定するのに24時間超を要した。

 メナピ本部長は「乗っていたのは乗組員と船長を含めて738人で、数を調べたところ27人が行方不明、乗組員を含めて合計711人が無事だったことが確認された」と述べた。

 また、「捜索海域に到着したところ、海面に大量の破片が浮いているのを目にしたが、行方不明者は依然発見されなかった」と説明した。

 今回の航海は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)を受け、人々を故郷の村へ避難させる政府のプログラムの一環として行われた。ソロモン諸島は、新型コロナウイルスの感染者がまだ報告されていない数少ない国の一つ。(c)AFP