【4月11日 People’s Daily】今年春の初め頃に、気温は急速に上昇し、湖北省(Hubei)の五峰トゥチャ族自治県(Wufeng Tujia Autonomous County)の茶農家の譚従新(Tan Congxin)さん一家の6ムー(約4000平方メートル)の茶畑に、新しい芽が現れた。そろそろ今年初の新茶摘採の時期になる2月上旬、譚さんは茶畑で茶葉の成長を確認したが、今年の出荷にコロナウイルスの影響を受けるかどうかについて不安を感じた。帰宅途中、防疫のため県内をパトロールしていた県党委書記の陳華(Chen Hua)氏に会い、「今年のお茶、売れますか」と尋ねた。

「はい」と陳華氏は真顔で答えた。「必ず売れるから、ご安心ください」。五峰は湖北省の中で有数の貧困な県。21万9000ムー(約146平方キロメートル)の生態茶園は、同県の住民にとって、貧困から脱出するための望みである。全県の7割の人口の雇用と生活に関わっている。感染症の直接的な影響をあまり受けていないため、全県13万人の農家の人々は、ほぼ全員が茶園に入り、新茶の摘採に参加した。

 3月22日、譚さんは、指定された茶葉の買い取り場に駆けつけた。感染症予防のため、茶農たちは2メートル置きに並び、行列をつくった。体温を測定してから、販売する茶葉の情報を登録し、買い取ってもらった。

 約2週間に摘採した茶葉を売って、5000元(約7万6000円)近くが手に入った潭さんは「収入は例年ほど良くありませんが、政府の支援があるから、なんとかやっていけます」と話した。

 万物がよみがえるこの春、新型コロナウイルスの感染防止と経済発展を同時に推進するため、湖北省は感染症のない地域の農民を集めて、計画的に春の耕作生産を推進した。体温測定と必要な防護を実施しながら、春の耕作に出かけてもらう。一方、感染者が確認された地域では、隔離と予防を徹底的に実施し、感染拡大させないことを確実にした上で、生産を再開していく。

「春の耕作は忙しい。村の幹部が種を送ってくれたおかげですよ」。荊門市(Jingmen)荊東村(Jingdong)農民の荔学琦(Li Xueqi)さんは、家族がまいた初期のトウモロコシの苗を見て、うれしそうに語った。農産物資の店が営業再開したので、必要なものがあれば、携帯電話の通信アプリ、微信(ウィーチャット、WeChat)をつかって村の委員会に連絡すると、村の幹部はすぐに自宅まで配達してくれるという。現在、湖北省の初期の米耕作に必要なものは基本的にそろえて村の農家に届いた。

 農業機械は春の耕作の鍵だ。当陽市(Dangyang)は、すべての農業機械協同組合を組織して、農家とオンラインでつながり、注文操作などの「ワンストップ」サービスを実行した。湖北省は春の耕作に80万台以上の農業機械を調達し、約400万ムー(約2700平方キロメートル)の耕地を整えた。

 春作の肥料不足を補うために、宜昌(Yichang)、荊門など重要なリン酸肥料の生産地域にある24のリン酸肥料企業がすべて再開した。生産能力は8割以上に回復したという。(c)People’s Daily/AFPBB News