■特に懸念される黒人中流層

 2008年の世界金融危機のときと同様、「今回も多くの米国人の脆弱(ぜいじゃく)さを浮き彫りにしている」とオールデン氏は言う。低所得層は痛ましいほど引退に向けた備えがなく、多くの米国人は70代、80代になっても働き続けなければならないだろう。

 セントルイス連邦準備銀行(Federal Reserve Bank of St. Louis)によると、高校を卒業していない人のうち引退後の貯蓄計画を持っている人はわずか22%で、しかも計画があったとしてもその中央値は3万5000ドル(約380万円)程度だという。

 ハーディー氏はさらに「今回の不況は一見、裕福に見える家庭も含めすべての所得層に打撃を与えるだろう」と予測する。「黒人の中流家庭への影響が特に大きいだろう」

 ロドリゲスさんは住宅ローンと自動車ローンを抱えているが、どうにか前向きでいようとしている。「この危機が去れば、経済はもっと良くなると思う」 (c)AFP/Delphine TOUITOU