【4月6日 AFP】ラグビー女子アイルランド代表のクレア・マクラフリン(Claire McLaughlin)は、英国ベルファストのアルスター病院(Ulster Hospital)の救急救命センターに務める若手医師でもある。

 しかし、医師になるために多くを学んできた彼女も、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)のような難題が待ち構えているとは想像もしていなかった。それでも医療従事者は、みんなで協力して効果的な部隊を組み、新型ウイルスに対応しているという。

 マクラフリンは英BBCに対し、「こんな事態に自分が関わるなんて、想像もしていなかった」「大学やメディカルスクールで教わったのとは別の状況になっている」と話した。

「だけど、みんな一つになっている」「医師も、看護師も、医療の専門家も」「医療システムとしてのまとまりをしっかり示している」

 アルスター病院はまだ、感染した人が殺到する状況にはなっていないが、マクラフリンは予想される展開に向け、他国の経緯を参考にしている。その一方で、新型肺炎の患者が次々に運び込まれてくることを予測し、他の患者を自宅へ送り返すやり方には、別のリスクがあることも認めている。

「心配なのは、どれくらいひどい状況に、いつ到達するのか分からないこと」「もちろん、中国やイタリアの情報は集めているし、各国の対応や、ウイルスが国や医療システムに与えた影響もチェックしている」

「3週間か4週間前なら入院だったけど、今は自宅で療養してもらっている患者さんもいる」「そうやって医療の在り方を変えることにもリスクがある」

 28歳のマクラフリンは、ラグビーではフォワードのバックローを務め、2015年にデビューした代表ではテストマッチ出場16試合を積み重ねた。ラグビーで培った価値観は、今の仕事にも生きている。

「メディカルスクールでは学べないこともある」「リーダーシップやコミュニケーション能力、チームワークなどが身についたのは、ラグビーの力が大きかった」

「そうしたスキルを医療や日々の仕事に応用できたのは、とても大きかった」「私はラグビーを通じてたくさんのことを教わった」 (c)AFP