【4月5日 AFP】新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大を抑制するため、全土が封鎖下に置かれているインドで、何とかして帰郷しようとした70歳の村人が他の男らとともに、死んだふりをして救急車に乗り込み、封鎖をかいくぐろうとしていたことが分かった。地元警察が1日、明らかにした。

 警察によれば、ハキム・ディン(Hakim Din)という名前の男は、カシミール(Kashmir)地方のジャム(Jammu)にある病院で、頭部の軽いけがの治療を受けていたところ、救急車の運転手に死んだふりをすれば検問所を通過できると提案された。

 ディン容疑者ら男4人は、パキスタンとの事実上の国境に近いインド支配地域のへき地プーンチ(Poonch)に帰りたかったという。

 AFPの取材に応じた同地域の警察本部長によれば、4人は救急車で160キロ以上走行し、病院から発行された偽の死亡診断書を使って数多くの検問所を通過。

 だが、「救急車は家にたどり着く前にある最後の検問所で止められた」とし、「そこにいた警官が、救急車の中で覆いを掛けられて横たわっている男は死んでいるはずがないとすぐに見抜いた」という。

 同本部長によれば、男らは逮捕されて別々に隔離されている。「不正を働いて政府の禁止命令に違反した」罪に問われる可能性があるという。(c)AFP