【4月4日 AFP】コンゴ民主共和国の国立生物医学研究所(INRB)のジャンジャック・ムエンベ(Jean-Jacques Muyembe)所長は3日、新型コロナウイルスのワクチンの治験に参加する用意があると述べた。

 ムエンベ氏は記者会見で、「ワクチンは米国もしくはカナダ、中国で生産されるだろう。われわれは治験を行う候補国だ」と述べ、治験は7月か8月に始まる可能性があるとの見方を示した。国民が実験台にされるとの批判がある中で行われたこの発言は物議を醸した。

 これに先立ち、フランスの第一線の医師2人が、テレビ番組で新型コロナウイルスのワクチンの治験をアフリカで実施することについて論じ、激しく批判されていた。

 北部リール(Lille)にある国立保健医学研究所(INSERM)の研究責任者であるカミーユ・ロクト(Camille Locht)氏と、パリのコチン病院(Cochin Hospital)の集中治療部門責任者であるジャンポール・ミラ(Jean-Paul Mira)氏は、アフリカはワクチンの治験に適していると示唆した。

 両氏の発言は激しい批判を呼び、反人種差別団体のSOSラシスム(SOS Racisme)は「アフリカ人はモルモットではない」と表明した。

 コンゴ民主共和国では、同国で10回目となるエボラ出血熱の流行が2018年8月1日に東部で発生。これまでに2200人以上が死亡したが、終息宣言が4月12日に出される予定となっている。エボラ出血熱の流行を食い止めるため2種類の実験的ワクチンが32万人以上に接種された。(c)AFP