【4月3日 AFP】新型コロナウイルスの流行で世界が混乱に陥る中、スイスとイタリアの国境に位置する山「マッターホルン(Matterhorn)」に光のメッセージが投射され、困難な時期に一筋の光となっている。

 全長800メートル近い光のプロジェクションは、1週間以上前に始まり、毎晩行われている。イタリアと接するスイス南東部にそびえるマッターホルンから約4キロ離れた地点から、山の北と東の斜面に投射されている。

 世界各地の建築物を使って作品を発表してきたスイス人の光のアーティスト、ゲリー・ホフステッター(Gerry Hofstetter)氏は、「スイス国旗から始めた。この山とわれわれの国に語り掛けるものだからだ」と説明した。

 その他にも「希望(hope)」、「連帯(solidarity)」、「家にいよう(stay home)」などの言葉や、白の背景に巨大な赤いハートの図柄が映し出された。白と赤はスイス国家を象徴する色だ。

 1日夜には、スイスとイタリアの国旗や、イタリアと国境を接するスイス南部の州ティチーノ(Ticino)の州旗が投影された。イタリア北部と隣接するティチーノ州は、新型コロナウイルスの感染者がスイス国内で最も多い。

 今後は、多数の感染者が出ている国々の国旗が数週間にわたってマッターホルンの山頂に投影される予定となっている。プロジェクションは高解像度ウェブカメラによるライブ配信を通じて見ることができる。

 映像は1日撮影。(c)AFP/Eloi ROUYER with Robin MILLARD in Geneva