【4月3日 AFP】サッカーベルギー1部リーグは2日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)に伴い、今シーズンを早々に打ち切り、現在の順位を最終順位として扱うことを提言したと発表した。欧州サッカー界でこうした策が取られるのは初めて。

 この決定は4月15日に行われる総会で正式に認められる見込みで、現在の順位表で2位ヘント(KAA Gent)に15ポイント差をつけている首位クラブ・ブルージュ(Club Brugge)が優勝扱いになるとみられている。

 同リーグは発表文の中で、6月30日までに観客を入れた状態で試合を開催できる「可能性は非常に低く」、その後も「大会を続けることは望ましくないと満場一致で決定した」と記した。

 また、無観客での開催も「理論上は可能」だったが、こうした状況の中で医療施設や警察をこれ以上プレッシャーにさらすことは望まなかったという。従って同リーグはシーズンを再開せず、「現在の順位表を最終順位として容認する」ことに合意した。

 新型コロナウイルスによって欧州のサッカー界が3月中旬からほぼ完全停止を強いられる中、代表チームが世界ランキングで首位に立っているベルギーは、その中でもこうした策を取る初めてのリーグとなる。

 ベルギーの保健当局は、新型コロナウイルスによる同国の死者数が2日に1000人を超え、感染者数は1万5348人だと明かした。

 近隣国同様、全土でロックダウン(都市封鎖)の措置が取られているベルギーでは、レストランやバー、必須の事業を除くすべての会社が閉鎖され、学校は休校になり、公共イベントも禁止されるなど、1人あたりで見ると欧州で最も深刻な被害が出ている国の一つとなっている。

■UEFAと一線を画す?

 各クラブが30試合を行うベルギーリーグのレギュラーシーズンは、1節を残して中断となった。

 レギュラーシーズンの終了後、通常であればリーグは分割され、上位6クラブは勝ち点を半分にしてホームアンドアウェー方式の総当たり戦で優勝を争う。

 この決定は、今シーズンの国内のクラブ大会を継続して6月30日までに完了させ、必要であれば7月か8月に入っても続行させる可能性があるという決意を表明している欧州サッカー連盟(UEFA)とは一線を画すように思える。

 ここでシーズンが打ち切りになれば、優勝扱いになるブルージュとヘントに来シーズンの欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2020-21)出場権が与えられる。

 ワースラント・ベフェレン(Waasland-Beveren)は最下位に沈んでいるが、降格と昇格がどのようにして決まるかは不明のままとなっている。(c)AFP