【4月2日 AFP】(更新)新型コロナウイルスの感染拡大の抑制を目指す措置により、何百万人もの雇用に影響が出ている欧州連合(EU)は2日、逼迫(ひっぱく)する各加盟国の失業給付を支援するため、EU全体で1000億ユーロ(約11兆7000億円)を調達し得る制度を提案した。

 ウルズラ・フォンデアライエン(Ursula von der Leyen)欧州委員長によるこの提案は、新型ウイルス流行が招く深刻な不況への対策をめぐり、加盟国間で生じる格差を埋めようとする狙いがある。

 委員長は記者会見で「これこそ欧州の団結力を行動に移すものだ」と述べた。

 具体的には、加盟27か国に一時金の拠出を要請し、これを元手にEUが市場で資金を確保。「欧州委員会が、短期的な失業給付制度への援助を必要とする加盟国に融資する」と、フォンデアライエン氏は説明している。

 ただこの枠組みを機能させるためには、各加盟国が最低250億ユーロ(約2兆9000億円)を拠出する必要があるという。

 この案は今月7日にビデオ会議を行う予定の各加盟国の財務相らに提出される。財務相らはこの会合で、新型ウイルスの感染拡大が収束した後に必要な経済刺激策について協議することになっている。(c)AFP