【4月7日 People’s Daily】3月21日夜、セルビアの首都ベオグラードのニコラ・テスラ空港。アレクサンダル・ブチッチ(Aleksandar Vucic)大統領や保健相、国防相らが頭を上げてつま先立ちという最高位の敬意を表して、中国からのチャーター機を歓迎した。

 新型コロナウイルス対策の専門家6人からなる医療支援チームを乗せた航空機は、午後7時半に到着。6人がタラップを下りると、ブチッチ大統領が一人一人の隊員とひじを付き合わせる「ひじタッチ」で出迎えた。

 さらにブチッチ大統領は中国の国旗にキスをし、セルビアの国旗と旗の両端を結んで、困難な時に助け合う団結心を表現。「新型コロナウイルスとの戦いでセルビアを支援してくれるのは、中国だけだ。医療支援チームにはただちにわが国の主管部門とタッグを組んでもらい、提言を聞かせてほしい」と語った。

 中国で感染症が拡大していた時期、セルビア政府と民衆は中国にさまざまな支援をしてくれた。中国が感染症を克服しつつある一方、セルビアで感染が深刻となり、今度は中国がセルビアに手を差しのべた。医療支援チームの到着を記念し、ベオグラードでは音楽会「セルビアと中国は永遠の兄弟」が開かれ、民衆は寒空の中、中国国旗を高く掲げて歓迎した。陳波(Chen Bo)中国駐セルビア大使は「セルビアは感染症拡大を抑制する正念場を迎えている。中国は不変の友人として、勝利の日までこの闘争に力を尽くしたい!」と語った。

 チャーター機には呼吸器やモニター、自動体外式除細動器(AED)、気管挿管の際に使う喉頭鏡などの大量の医療支援物資も積み込まれた。物資には中国とセルビアの国旗をハート形にしたマークが取り付けられ、両国の言葉で「風雨を共にする不変の友人」と書かれていた。

 ブチッチ大統領は「中国の医療チームは私たちに、新型コロナウイルスに勝利する希望と信念ももたらしてくれた。困難は時に、真実を映し出す。セルビア人民は何代にもわたり中国の思いやりを記憶に刻んでいくだろう。国際社会が今後どのように変わろうと、セルビア人民は中国人民と永遠に共にある」と心より感謝した。

 医療チーム派遣に先立つ3月15日、セルビア政府は中国が寄贈した検査キットを受け取った。これはセルビアが外国から初めて受け取った支援物資だ。3月22日には、第二陣の医療支援物資が上海からセルビアに到着した。

 ベオグラードの街頭で、巨大な中国国旗がはためき、鮮やかな赤のライトがともされた。苦難を共にする「不変の友人」に感謝する思いが街中を包んでいる。(c)People's Daily/AFPBB News