【4月6日 CNS】中国・江西省(Jiangxi)で1日、政府が公式に発行する総額1000万元(約1億5000万円)を超える旅行用電子消費券の配布が開始され、この日の配布分5000枚は一瞬でなくなった。新型コロナウイルスの感染が発生して以来、中国の飲食業、文化・観光などのサービス産業は打撃を受けており、産業の消費を刺激するため各地で1億元(約15億円)規模の消費券の配布が始まっている。

 観光資源が豊富にある江西省が今回準備した額面50元(約760円)の旅行用電子消費券20万枚は、毎日午前10時に無料で5000枚を配布する。使用期限は2020年6月末までで、江西省の居住者が取得でき、省全域のAクラス以上の景勝地、温泉休暇村、ロープウエー、演芸場などの利用券として使える。

 消費券の配布以外に、江西省は今月より「週休2.5日制」の試みを3か月続けて実施する。企業の管理者や従業員が積極的に週末に外出して休暇を過ごすよう促すとしている。これとセットで、全省の5Aクラス、4Aクラスの景勝地、5Aクラスの郷村観光スポットで毎週金曜日の午後より入場料が半額となる。

 江西省文化旅遊庁の陳暁平(Chen Xiaoping)副庁長は「試算では、この3か月に各景勝地や観光スポットが還元する金額は2億元(約30億円)を超えますが、細かいそろばんは弾きません。観光は総合的な産業で、経済全体を引っ張ることができるからです」と語った。

 中国各地の地方政府が発表した情報によると、現時点で、多くの地域が消費券政策を発表している。そのうち、南京市(Nanjing)、杭州市(Hangzhou)などの東部の都市が発行する消費券の金額は1億元を超えており、力を最も入れている産業は観光と飲食産業だという。(c)CNS/JCM/AFPBB News