米先住民ナバホ指導部、脆弱な居留地への新型コロナの影響を懸念
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【4月2日 AFP】米最大の先住民居留地、ナバホ・ネーション(Navajo Nation)の指導部は、新型コロナウイルスがもともと脆弱(ぜいじゃく)な同居留地にもたらし得る影響を懸念している。
先住民ナバホ(Navajo)の指導部は、すでに境界を閉ざし、夜間外出禁止令を出していたが、1日までに感染者174人、死者7人が確認された。
ナバホ・ネーションの人口は約17万5000人。面積は7万1000平方キロで、3州にまたがっている。中にはもともと大きく孤立した生活を送っている住民もいる。
多くは高齢者または糖尿病などの慢性疾患がある人々なので、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に感染すると重症化しやすい。
また、大家族が一つ屋根の下で暮らしているため、新型ウイルスの急速な感染拡大にうってつけな環境が生じている。
さらに心配なことに、保健当局が最も効果的な予防法は手洗いだと呼び掛けたとしても、住民の30%は水道水を利用できず、何キロも離れた井戸に水をくみに行かなければならない。
ナバホ・ネーションは、連邦緊急事態管理庁(FEMA)とアリゾナ州兵に対し、二つの町での施設建設への支援と、医療機器の提供を求めた。
かつて欧州からの入植者は、天然痘をはじめとする感染症の持ち込みなどによって、西半球(南北米大陸など)の人口の推定95%を死に追いやった。このため米国の先住民は何世紀にもわたり、感染症におびえながら暮らしている。(c)AFP