【4月2日 AFP】スーパーマーケットに来た客は、店内を歩き回り、食べ物を触り、紙幣をめくるのに指をなめたりもする。この中には新型コロナウイルスに感染し、拡散させている人もいるかもしれない。

 イタリアなど各国のスーパーで働く人たちは、こうしたもやもやとした気持ちを抱いている。多くの人は疲れ果て、十分に保護されてもおらず、過度にコロナウイルスにさらされていると言う。

 世界中で数百万人が自宅隔離下にあっても、スーパーで食料品の買い物をすることはできるため、こうした業界の労働者の感染リスクは高まっている。

 新型コロナウイルスの感染拡大で大きな被害を受けたイタリア北部ブレシャ(Brescia)で先月、新型コロナウイルス検査で陽性だったスーパーのレジ係(48)が死亡した。これを受け、従業員を守る十分な対策が取られていたのか疑問視する声が上がった。

 労働組合は、この業界では他にも、従業員が新型コロナウイルスの感染者として報告されずに死亡した可能性があると指摘。同国では先週にもイタリア・ミラノ(Milan)の西にあるノバーラ(Novara)でスーパーの警備員(33)がコロナ感染によって死亡した。

 スーパーの従業員は数時間連続でレジカウンターに入ったり、客がいる中で商品を棚に陳列したりする。従業員たちは、最前線で働いているのに十分に保護されていないと指摘している。

 ノバーラのスーパーで10年以上働くパート従業員のレジ係、ピエラさん(31)は、「自宅に何かを持って帰ってしまうのではないかと私たちは恐れている」と語った。