【4月2日 Xinhua News】中国湖北省(Hubei)武漢市(Wuhan)の武漢大学(Wuhan University)は桜の名所として知られている。おおまかな統計によると、花見のピーク時には外部からの人数を制限しなければ、1日当たりの花見客は延べ10万人を超える。新型コロナウイルスの影響で、同大学は今年、厳しい閉鎖管理を実施し、構内の一般開放をしていない。その一方で、桜を楽しみたいという人々の要望に応えるため、同大学は多くのメディアと協力し、共同でインターネットを通じた「オンライン花見」サービスを行った。

「オンライン花見」は16日から12日間続けられ、再生回数は累計7億5000万回に達した。第5世代移動通信システム(5G)伝送技術を通じて、数億人の視聴者が、1日6時間リアルタイムで公開される同大学の満開の桜を楽しんだ。統計によると今回の「オンライン花見」に参加した、国内外のライブ配信プラットフォームは合計1000社を超え、中国電子商取引(EC)大手のアリババ(Alibaba)なども中継に関わった。

 花見の視覚体験を最大限に高めるため、「オンライン花見」は5G、4K、VR(仮想現実)、AI(人工知能)を組み合わせたライブ中継技術が応用された。5G技術が持つ大容量・低遅延という特徴を生かし、4KやVR、AI搭載無人ライブ中継車などの新たなテクノロジーを駆使して、同大学の桜が世界の視聴者の目の前でリアルタイムに咲き誇った。観衆は手元のスマートフォンを動かすだけで、5G+VRライブ中継レンズを通じて時間と空間の制限を飛び越えて、360度のパノラマで花見ができる。

 同大学の「オンライン花見」が公開されると、大勢のネットユーザーから注目され好評を博した。「オンライン花見」に関する話題は、中国最大のSNS「微博(ウェイボー、Weibo)」で数億回閲覧され、微博人気ランキングに10回以上入った。また、ライブ中継に関する動画は、中国の短編動画共有アプリ「抖音(ドウイン、Douyin)」の人気ランキングで首位となった。視聴者は桜を観賞しながら、コメント欄に幸せを祈る言葉を投稿し、感染との闘いに打ち勝つエールを送った。

 同大学内には現在1000株以上の桜があり、主な品種には、ソメイヨシノやサトザクラ、シダレザクラ、ヒマラヤザクラの4種がある。(c)Xinhua News/AFPBB News