【4月2日 AFP】テニス、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon)を主催するオールイングランド・ローンテニス・アンド・クローケー・クラブ(AELTC)は1日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)により、第2次世界大戦(World War II)後では初めて大会を中止すると発表した。

 最古の四大大会(グランドスラム)の中止に伴い、テニスの大会は7月中旬まで開催されないことが決定し、今季の日程は大きく乱れている。

 今回の重大な決定を受け、男子シングルスで8度の大会制覇を誇るロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)は「打ちのめされている」とツイートし、女子シングルスで7度の優勝を誇るセレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)はショックを受けているとコメントした。

 6月29日から2週間開催される予定だった今大会は、男子シングルスではノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)が、女子シングルスではシモナ・ハレプ(Simona Halep、ルーマニア)が連覇を目指していた。

 しかし大会主催者は「誠に遺憾」としながらも、中止の決定を下さざるを得なかった。AELTCのイアン・ヒューイット(Ian Hewitt)会長は、「これまで世界大戦でしか選手権が中止になっていないという事実は、われわれの心に重くのしかかっていた」と、中止という決定が簡単なものではなかったと明かした。

「だがあらゆるシナリオを徹底的に考え抜いた結果、今年の選手権を中止するという決定は、この世界的な危機への極めて真っ当な対応だと確信している」

 前回女王のハレプは中止に失意を表しつつ、「去年の決勝は自分の人生で最も幸せな日としてあり続ける! でも私たちはテニスよりもっと重大なことに直面しているし、ウィンブルドンはまた戻ってくる! タイトル防衛を楽しみにする時間が長くなるということ」とツイートした。

 2度の男子シングルス優勝を誇るアンディ・マレー(Andy Murray、英国)は、「今年のウィンブルドンが中止となったのは本当に悲しいが、今世界で起きていることを考えれば、一番大切なのは間違いなく健康だ!」とコメントしている。

 また男子プロテニス協会(ATP)と女子テニス協会(WTA)は、ウィンブルドンの前哨戦に位置付けられるグラスコートの大会を中止にすると発表しており、シーズンの再開は最短でも7月13日となる。

 全米オープンを主催する全米テニス協会(USTA)は、ニューヨークで8月31日から9月13日にかけて開催される日程に変更はないとし、「現時点でUSTAは全米オープンを計画通り行う予定で、大会開催に向けて準備を続ける」としている。

 今年の全米オープンは、物議を醸す日程変更を行った全仏オープン(French Open 2020)の1週間前に閉幕する。(c)AFP/Pirate IRWIN