【4月1日 CNS】中国・国務院は3月31日、記者会見を行い、2020年度中国大学統一入学試験を1か月延期し、7月7日から8日にかけて実施することを明らかにした。

 教育部高校学生司の王輝(Wang Hui)司長は、「2020年度の中国大学入試参加者は1071万人。入試時期を1か月延期するのは、『健康第一』と『公平第一』を堅持するため。現在、中国本土における感染状況は基本的に抑制しつつあるが、散発的な症例と局部的な爆発的感染リスクは依然存在し、海外からの感染流入も加速化する勢いが見られる。公衆衛生の専門家によると、大学入試を1か月延期することで、感染リスクは相対的に小さくなり、多くの受験生と関係者の生命の安全と健康に利する」と語った。

「公平第一」について王司長は「都市と農村間のオンライン学習の条件には格差があり、感染の発生後、一部の農村や貧困地域の生徒の受験準備は大きな影響を受けている。入試を後ろ倒しにすることで、生徒らはより多くの時間を使いカリキュラムに沿って学校で集中的な勉強が可能となる。農村や貧困地域の生徒が感染対策によって受ける影響を確実に少なくし、最大限、教育の公平性を担保しなければならない」と強調した。

 2020年度の大学入試が感染症対策や実施時期の変動などの複雑な情勢にあることを踏まえ、教育部は各地の感染症対策と入試の組織管理、緊急対応の準備などの指導を強化するとしている。

 また、入試時期の1か月延期に伴い、入試完了後の希望校の提出と合格決定時期も1か月程度後ろにずらし、本科生の合格決定は8月末、専科生の合格決定は9月中旬とし、新学期の授業開始もそれに合わせて順延するとしている。大学は9月上旬から中旬、高等職業専門学校(日本の短大に相当)は10月初旬ごろとなる見通しだ。(c)CNS/JCM/AFPBB News