【4月1日 AFP】米軍の空母「セオドア・ルーズベルト(USS Theodore Roosevelt)」の艦長は国防総省に対し、空母内で新型コロナウイルスの感染が拡大し状況が制御不能になっているとして、乗組員の隔離に向けた迅速な支援を要請した。米国の2紙が3月31日、報じた。

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 空母のブレット・クロージャー(Brett Crozier)艦長は4ページにわたる書簡で、現在米領グアム(Guam)の港に停泊している空母の乗組員約4000人の間で感染拡大が止まらない惨状を説明。米地方紙サンフランシスコ・クロニクル(San Francisco Chronicle)によると、「われわれは交戦中ではない。水兵らは死ぬ必要はない」と述べた。

 クロージャー艦長は空母の「空間は元来、制限されている」ことに触れ、「感染症の拡大が続き、加速している」と言明した。

 クロージャー氏は、乗組員全員を船内にとどめておくことは「不必要なリスク」であるとし、ほぼ全員をグアムで下船させ隔離できるよう要請。「配備された原子力空母の兵員の大半を下船させ、2週間隔離することは異常な措置にみえるかもしれない」としつつ、「これは必要なリスク」だと主張した。

 サンフランシスコ・クロニクルによると、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が確認された乗組員の数は100人を超えている。米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)も報じたこの書簡について、米海軍はその内容を確認していない。(c)AFP