【4月1日 Xinhua News】国際小惑星警報ネットワーク(IAWN)と国際天文学連合小惑星センターはこのほど、中国江蘇省(Jiangsu)南京市(Nanjing)にある中国科学院紫金山天文台の地球近傍天体(NEO)望遠鏡がまた新たに小惑星を発見したと発表した。同天文台が率先して観測した地球近傍小惑星「2020 FL2」で、北京時間23日午前4時38分24秒(日本時間同5時38分24秒)に地球をかすめたという。同天文台が明らかにした。

 同小惑星の地球最接近時の距離は約14万4000キロメートルで、中国が2月下旬以降に発見した3番目の地球近傍小惑星となった。

 小惑星の直径は約20メートルで絶対等級は26.3等だった。観測と計算によると、軌道長半径は1.32天文単位(約1億9800万キロ)で、離心率は0.61。地球軌道との交差距離は約14万2500キロメートルだった。

 同天文台の趙海斌(Zhao Haibin)研究員は「中国がこれまで発見した中で最も小さく、地球軌道との距離が最も近い小惑星だ」と語った。

 地球近傍小惑星の発見がこのところ頻繁に報告されているのはなぜなのか。趙氏は、地球の周囲は決して穏やかな状態ではなく、小さな天体が地球をかすめるさまざまな可能性に満ちていると指摘。観測条件や観測レベルの限界により人類はこれまでこれらの天体を完全に把握することができなかったとし、最近になって小惑星の発見が続いているのは、良好な夜間観測条件と効率的なデータ処理手段によるところが大きいと述べた。

 趙氏によると、紫金山天文台の地球近傍天体望遠鏡のような地球近傍天体の観測拠点は現在、全世界に400カ所以上ある。これらの拠点は地球の「見張り番」となり、さまざまな可能性で地球に近づく天体を常に監視しており、地球の安全を守っているという。(c)Xinhua News/AFPBB News