【3月31日 AFP】英国ボクシング管理委員会(BBBofC)は30日、WBO世界スーパーミドル級王者のビリー・ジョー・ソーンダース(Billy Joe Saunders、英国)について、新型コロナウイルスによって都市が封鎖されている間、家庭内でもめ事が起きた際の女性への攻撃方法を男性に助言した映像が流出した問題を受けて、ライセンスの暫定停止処分を科した。

 ソーンダースはソーシャルメディアに投稿した動画で、サンドバッグを使用しながら「女性の顎を攻撃」する方法を指南した。その後、「決して家庭内暴力を許す」つもりはなかったと話して謝罪し、家庭内暴力に関する慈善団体に2万5000ポンド(約335万円)を寄付すると表明した。

 しかし、BBBofCは2階級で世界王者となった実力者のソーンダースに対し、聞き取り調査の結果が出るまでライセンスを一時停止すると発表。「ビリー・ジョー・ソーンダースのソーシャルメディアでの発言内容を熟考し、英国ボクシング管理委員会は理事会が定めた不正行為防止規則の下に、調査結果が判明するまで同選手のライセンスを停止する。聞き取り調査の時間と場所については、可能な限り早期に決定する」との短いコメント文を出した。

 30歳のソーンダースは、英ラジオ局「トークスポーツ(talkSPORT)」に対して、「愚かな間違い」だったと反省の弁を口にした。また、殺しの脅迫を受けたことやツイッター(Twitter)のアカウントを削除したことも明かした。

「誰かを怒らせるつもりはなかった」「世界中で新型コロナウイルスの死者が出ていて、その空気を少しばかり和らげようとしただけなんだ」「明らかにやるべきではなかった。自分のユーモアのセンスは、誰にも受け入れられないものだ」

 一方、プロモーターのエディー・ハーン(Eddie Hearn)氏は、ソーンダースの「ばかげた」発言に衝撃を受けたといい、「ビリー・ジョー・ソーンダースは、一歩前進したかと思えば四歩後退する。それは本当に腹立たしい」「特にこういう立場の人間として、やってはいけないことだ」と述べた。

「暴力的な人間がこうした動画を見ている」「これはやってはいけないことであり、容認できないものだ」 (c)AFP