独ヘッセン州財務相が自殺、新型コロナ対応で「深刻な悩み」
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【3月30日 AFP】ドイツ経済の中心地・中部ヘッセン(Hesse)州のトーマス・シェーファー(Thomas Schaefer)財務相(54)が28日、州内の鉄道線路付近で、遺体で発見された。フォルカー・ブフィエ(Volker Bouffier)同州首相は29日、自殺とみられると発表し、シェーファー氏が新型コロナウイルスの経済的影響への対処について「深刻な悩み」を抱いていたことを明らかにした。
同州ウィースバーデン(Wiesbaden)の検察当局も、シェーファー氏は自殺を図ったとの見方を発表した。
ヘッセン州にはドイツの金融ハブであるフランクフルト(Frankfurt)があり、ドイツ銀行(Deutsche Bank)やコメルツ銀行(Commerzbank)といった主要行が拠点を構える。欧州中央銀行(ECB)の本部もフランクフルトにある。
シェーファー氏は10年にわたりヘッセン州財務相を務め、高い人気と評価を集めていた。ブフィエ氏と共にアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相率いる中道右派キリスト教民主同盟(CDU)に所属し、次期州首相と目されていた。妻と2人の子どもがいる。
ブフィエ氏は録画された動画声明の中で、動揺を隠しきれない様子でシェーファー氏について、ウイルスのパンデミック(世界的な大流行)による経済的影響への対応に追われる企業や労働者を支援するため「昼夜を問わず」働き続けていたと語った。(c)AFP